公認会計士がやる!株主総会レポート

公認会計士による新興株の株主総会出席レポート

第13回 6172メタップス株主総会レポート2018.11.29

 第13回はメタップスの株主総会です。代表取締役社長である佐藤航陽氏は今やマザーズ市場のロックスターともいうべき存在で、有名人やインフルエンサー等の時間を売買する取引所「タイムバンク」の創設、上場企業として世界初のICOとその会計処理をめぐる騒動、自腹で5000万円の広告宣伝費を使って鉄道広告をジャックし、20万部の大ヒットとなったビジネス書「お金2.0」の上梓、とこの1年話題に事欠きませんでした。しかし株価は話題に反応することはなく、3000円台であったものが2000円を一時割る水準まで落ちてきました。

 メタップスの事業は、①決済・電子マネー・フィンテック・仮想通貨等のファイナンス事業、②AI分析による広告事業を中核としたマーケティング事業、③タイムバンク事業やQR決済QR送金アプリpring等のコンシュマー・投資事業、に分類されます。今やメインは①の事業であることに疑いありません。地域別では前期の売上高211億円のうち半分以上の114億円が韓国事業の売上で、韓国での決済サービス事業が前期の成長ドライバーとなりました。

 会場は東京六本木の住友不動産六本木グランドタワー9階で午後3時より開催されました。座席は224席ありましたが、やはり人気があり、また株主も出席しやすい時間帯に開催していただけたということもあり、200名に近い出席者でした。

 壇上に立った佐藤氏はひげも剃り、さっぱりしたスーツ姿で好青年という印象でした。今まで出席した総会では経営者の謙虚な姿ばかりが目立ちましたが、佐藤氏の態度は堂々としており、声も力強く、やはりなかなかの器だなーという感じです。

 株主総数12,245名・議決権総個数134,499個、一方議決権行使個数は64,878個で過半数以下でしたが、定款で普通決議の定足数なし、特別決議の定足数3分の1としていますので、定款変更もOKです。定款変更による決算期変更で今期の事業年度は2018年9月1日から2019年12月31日までの16か月決算となります。

 議事は、①監査役監査報告、②事業報告(スライドとナレーション)、③佐藤氏による今年度の経営戦略・経営方針説明、③山崎祐一郎副社長による今期の新しい取り組みの説明、④質疑応答、と進められました。

 

(佐藤氏による経営方針説明)

 今期から純粋持株会社(ホールディングス)方式に移行する。ファイナンス事業は子会社メタップスペイメント、マーケティング事業は子会社メタップスワンにそれぞれ統合、中華圏(中国・台湾)事業は子会社メタップスエンターテイメントを現地持株会社としてグループ会社を整理・意思決定の迅速化を進めていく。コンシュマー・投資事業については10個投資して2,3個当たればいいと思っているので、打ち手を緩めず新規事業を立ち上げていき、軌道に乗りそうであれば投資をしてゆくというスタンスをとる。

 今まではすべての事業・会社をメタップスで管理してゆこうとしていたが、会社や事業が増える中で、全てをコントロールしてゆくのは不可能であり、非合理的でもある。今後はそれぞれの会社が自社の事業を(親会社のコントロールなしに)拡大推進してゆくことにより、その結果、グループ全体の企業価値の最適化が図れるという経営方針を採用してゆく(⇒自然界の生態系と同様に多様な事業が並存しながら「全体最適」を図る経営方針)。

 今期より事業領域を「連続的な成長を求める事業(市場・顧客・競合が既に存在している事業・・・決済事業やマーケティング事業等の一般的な事業)」と「非連続な成長を求める事業(市場が存在しない・会計上法律上の領域も存在しない・・・タイムバンク・pring・仮想通貨・ブロックチェーン)」の2つに区分した。前者の事業だけではグローバルな競争に勝てない。後者については、アイデアとスピードで前者とは区別してやってゆく。これに合わせて今期より経営体制も変更し、会長として佐藤氏が後者の事業を、社長として山崎氏が前者の事業をそれぞれ担当する。

 

(山崎氏による今期の新しい取り組み説明・・・一部抜粋)

①マーケティング事業における日中韓のクロスボーダープロモーション・・・日本のゲーム会社の中華圏進出、中国のゲーム会社の韓国・日本進出をサポートするのが強み。直近では、TikTok(ティックトック)の日本進出のプロモーションもやらせてもらった。

②ブロックチェーン技術への全力投資・・①ブロックチェーンゲームの開発、②ブロックチェーンゲームの売買プラットフォーム開発、③仮想通貨を使ったオフライン決済等幅広いサービスを展開してゆきたい。

・・・・今期より、ブロックチェーン事業が「非連続な成長を求める事業」の中心になってゆきます。

 

(山崎氏による中期経営方針説明)

2年前に中期経営方針を出したが、その時の目標が2020年に売上高1000億円、営業利益100億円であった。今回、グループ各社に中期計画を作らせ、それを積み上げた結果は、2020年に売上高514億円(当初計画の約半分)、営業利益58億円(当初計画の約半分)にしかならなかった。この乖離は今後M&Aやpring等新規事業で補っていきたいと考えている。

・・・・・なんとざっくりとした戦略でしょう!さすがです。

 

(山崎氏によるICOの会計処理確定報告)

負債に計上した繰延収益9.2億円について収益化する要件が固まっていなかったが、この10月に新しいトークンと新しいホワイトペーパーを発行し、古いトークンと交換することにより、繰延収益を収益計上することが可能になった。

・・・・・収益化できるような内容にホワイトペーパーを書き換えたということですかね?

 

(質疑応答)

・・・質問者のマイクの調子が悪く、よく聞こえない部分もありましたので、会社の回答を中心に報告します。

1、(質問)売上高を分析すると、全体では75億増加しているが、国内事業は4億円ダウンしており、韓国事業のみで売上を伸ばしている感じである。他の事業の成長に不安はないか(回答)マーケティング事業領域は伸び悩んでいる。決済・フィンテック・仮想通貨領域は非常に伸びている。前者の伸び悩みを後者が補った。後者は国内外とも着実に積みあがっており、メインの利益の源泉である。しかし中期計画は、仮想通貨もしくはコンシュマー向けの大きな事業をヒットさせない限りなかなか達成は難しいと考えている。

2、(質問)LINEとみずほ銀行との提携のpringに与える影響は?(回答)LINEとみずほの提携は新たな銀行を作るという話である。pringはQR決済・QRによる送金にフォーカスした取り組みであり、特に影響はない。

3、(pringの競合に対する戦略)LINEやヤフーは多くのユーザーを抱えており、その既存ユーザーに自らの決済サービスをどう使ってもらうかの戦略を立てているが、pringはオープンプラットフォームであり、金融機関や新しい決済を導入したいという小売業者に対してシステムそのものを提供するという非常にユニークな戦略をとっている。

4、(質問)世代の違う和田洋一取締役(元スクウェアエニックス社長)はどういう立ち位置や役割なのか?(回答・和田氏)佐藤氏山崎氏が斬新な試みで経営しているが、速度があるとやはり損も出てくる。私は彼らのフォローに回る立場、決してブレーキをかけるのではなく、(アクセル踏んだまま)ハンドルを切って障害物を避けたい。全体的に足りないところや漏れているところをフォローする用務員のおじさんです。(回答・佐藤氏)この2~3年で売上・従業員とも数倍になった。上場時月商2~3億だったものが20億近くになっている。このような状況を我々未経験者だけで乗り切るのは厳しい。過去に大組織を率いてきた方々の意見をかなり尊重して動いており、助かっている。

5、(韓国での仮想通貨決済システム)韓国でメタップスプラスがカルダノ財団が提供するエイダという仮想通貨と連携して、エイダを使ったリアル店舗での決済システムを開発している。今年から開始する予定である。もともと韓国で決済代行事業をやっており、大体10,000店舗ぐらいのネットワークを持っている。そこで仮想通貨決済を行う。一方、国内のpringは仮想通貨決済は考えていない。いわゆる電子マネー決済にとどめている。

6、(監査法人との仮想通貨をめぐるコミュニケーション)この一年いろいろとやりとりしたが、IFRSでは全くルールがないという状況で、監査法人の方々も苦労されていた。私たちもどういった会計処理がいいのか提案しながら毎週毎週詰めてやってきた。今回世界初の事例をつくれた。私たちもチャレンジングでよかったと思っている。今後も仮想通貨領域で積極的にルールを作ってゆきたい。コミュニケーションとしては良好で、お互い得るものが大きいのではないか。

7、仮想通貨の繰延収益の収益化は今期中にどこかのタイミングで計上することは決定している。ただそれが、第一四半期なのか第二四半期なのかということは検証中。

8、(竹中平蔵氏とのかかわり方)金融のあり方が大きく変わるという時期にご相談申し上げ、政府や金融庁とどうコミュニケーション取ればよいのかアドバイスいただいている。定期的ではない。

9、(pringへの三菱UFJ銀行の出資・参加の可能性)現在は関係ないが、可能性はあると思っている。しかし具体的に決まっていることは何もない。

10、(バンクペイとの競合)バンクペイに関しては銀行によって方針がバラバラで、決まっている動きがない。併存できる可能性もあり、競合となる可能性もある。

11、(質問)子会社であったタイムバンクを佐藤社長が個人で10月に全株をMBOしたが、どういうことなのか?(回答)本当は50%~60%だけ個人で買い取り、残りはメタップスに残すつもりであったが、1%でも残すと連結決算からタイムバンクが外れないとわかったので、全株を取得した。タイムバンクの将来性は半々であるが、事業を軌道に乗せるまでには5年~6年の赤字と多額の投資が必要となる。このような不確実性が高く、多額の投資を要する事業が、グループに悪い影響を与えてはいけないので、私個人の方でリスクをとって事業を進めることにした。今回は資本分離したが、今後は状況に応じて資本関係を持つか否か決めてゆきたい。

・・・タイムバンクを早くも連結から外したとは知りませんでした。IR見逃してました。個人で買い取って連結外しするとは大胆ですねー。

12、タイムバンクはうまくいかないといろんな人が思っているが、過去に決済事業にしても、グローバル展開にしても、絶対に失敗するといわれた。これが今やメインの収益になった。このようなリスクのある事業、可能性のわからない事業に対して逆張りの発想で挑戦してゆくのがメタップスのDNA、私のDNAである。

13、(今後の収益計画)メインでは決済・電子マネーが土台にある。一方で、仮想通貨やICOの代行事業(筆者注:IPOの幹事証券会社のような仕事をICOでやるような感じではないでしょうか?既に5件受注とのこと)、ブロックチェーン事業は今期から数字が出てくるとみている。広告事業は苦戦しているが、メタップスワンという統合によってシナジーを出しながら規模を出してゆくので成長はまだ見込めると思っている。あとコンシュマー事業に関しては正直わからない、QR決済がどれほど世の中に普及するのかや、ダップスゲームアイテム交換プラットフォームというのは未知の領域なので、利益計画には見込んでいない。

14、(新規事業についての戦略、立ち位置、考え方)新規事業とか、新しい投資をする場合に考えていることは、「大きなトレンドを外してはいけない」ということだ。2010年の時はアプリ、PCからスマホになる間違いのない流れがあった。この中でどういうビジネスモデルがあるのかということを極力もがいて、いろいろな事例を試しながら、うまくいったものだけ再投資してゆくということを繰り返し繰り返しやってきた。2013年~14年は決済・フィンテック・仮想通貨だった。この領域で何かあるのは間違いないが、どのビジネスにチャンスがあるのかは私にも見えないので大きなトレンドを捕まえたら、その後は細かく動きながら、チャンスを拾ってゆき、そこで見つけたものに再投資してゆくということをやっていきながら、今の事業をつくってきた。今後に関しても世の中の流れが大きく変わるタイミングなので大きなトレンドを外さない一方で、細かな動きを機動的に変化させながら繰り返しやってゆく。

・・・・2019年からの大きなトレンドの具体的内容については佐藤氏は触れませんでしたが、明らかにブロックチェーンでしょう。ブロックチェーンで想定できるすべてのビジネスに全張りすると宣言しています。

 

これですべて終了しました。株主総会はわずか1時間です。時間を無駄にしない佐藤氏らしい密度の濃い運営でした。

要するにこれからも波瀾万丈ということであり、ポジティブサプライズやネガティブサプライズの連続でしょう。とても短期目線では投資できません。事業に投資するというより、佐藤氏の10年後、20年後に投資するという感じですね。しかしこの器と才能の将来は追い続けたいですね。佐藤氏は今後は破壊的イノベーションの創出に専念するということですので、細事には一切興味がなくなり、ブロックチェーン関連事業に専念するのではないでしょうか? あくまで私見ですが、そんな雰囲気でした。

お土産はもちろんなし。ペットボトルのお水をもらいましたが、メタップス社のフィルム包装のある球形のペットボトルでした。鞄に入りませんが、記念に持って帰りました。

以上、メタップス株主総会レポートでした。

 

 

 

第12回 3917アイリッジ株主総会レポート2018.10.24

第12回はアイリッジの株主総会です。同社はスマートフォンをプラットフォームとした「O2O事業」を行っています。O2O(オンラインtoオフライン)事業とは、同社が開発したプラットフォームエンジン「popinfo」を、例えば小売業の顧客のアプリに搭載すれば、そのアプリユーザーがその顧客店舗のエリアに近づくと、その店舗のタイムセール等のお知らせを自動的に配信し(オンライン)、実店舗に誘導して(オフライン)、顧客店舗の集客や販売促進に繋げるという仕組みです。popinfoを搭載したアプリのユーザー数は8500万人を超え、国内最大のO2Oエンジンとなっています。また、デジタルガレージ社との提携が決まり、同社から出資を受けるとともに、デジタルガレージのマーケティング部門を会社分割により切り出し、それをアイリッジが2018年8月1日付で子会社化しました(DGマーケティングデザイン)。分社化した電子地域通貨の子会社とともに新年度より3社での連結決算に移行します。

株主総会は、ホテルインターコンチネンタル東京ベイの4階で午前10時から開催されました。12社目の株主総会ですが、一番高級ホテルで贅沢な雰囲気の株主総会です。机付きイスが60席、イスのみが24席用意されていました。出席者は30名ほどです(総株主数3443名)。通常役員席の背後には、法務・財務スタッフが数名控え、議長である社長にアドバイスするのですが、今回は背後に誰もいませんでした。事業報告も動画ではなく、社長が事業報告書を読み上げる形で進みました。質疑の内容は以下のとおり。

(1)従業員全体の女性比率は25%、女性管理職(グループ長)は3名いる。

(2)配当はマザーズから1部に昇格した時点で検討したい。配当性向も1部に昇格してから検討する。1部への昇格はなるべく早めにしたいとしか言えない。

(3)(質問)従業員は12名増加しているが、人件費の内訳をみると販売費管理費の人件費は増加しているが、原価人件費は横ばいになっている。開発面での人材確保は本当に大丈夫か?(回答)業界全体でエンジニアの採用は難しくなっているが、当社はその中でもがんばって新規のサービスや開発の人材は確保できている。原価人件費は一部は仕掛品に繰り延べられて計上されるのでその影響もある。・・・・仕掛品は主に人件費で構成されているということですが、期首は21百万円、期末は26百万円であまり変わりません。納得できる説明ではなかったです。

(4)(質問)貸借対照表によれば、現預金が20億円あるが持ちすぎではないか。使途は?(回答)決算日(7月31日)時点では20億円あるが、翌日の8月1日にDGマーケティングデザイン社とDGコミュニケーションズ社に15億円出資しており、実際は5億円しかない。

(5)(質問)事業報告書にはアプリ開発・コンサル売上の低迷の原因として「案件の大型化、長期化、事業年度をまたぐ案件の増加」とあるが、決算で計上されている仕掛品26百万円しかなく、本当に案件が長期化・大型化・事業年度またぎをしているのか?7月末時点での受注残はいくらあるのか?(回答)仕掛品は主に人件費で構成されている。外注費は人件費が1としたら2とか3あるが、仕掛品には計上されず、案件が完成し、納品する直前に計上される。だから実質的に期をまたいでいる原価はもっと大きい。アイリッジの7月末の受注残は1億7000万円ほどである。・・・・アプリ・コンサル売上は年間10億円ほどなので、受注残は多いとまでは言えませんね。

株主総会は40分ほどで終了し、10分の休憩を挟んで経営説明会に入りました。

 

(経営説明会)

 

経営説明会は①事業説明➁成長戦略➂質問とありましたが、事業ごとにまとめました。

(1)今後のグループ体制・・・新年度より連結決算体制に移行

親会社:アイリッジ・・・O2Oアプリ企画開発、O2Oソリューション

子会社1(80%保有):DGマーケティングデザイン・・・プロモーション・デザインクリエイティブ

子会社2(88.5%保有):フィノバレー・・・電子地域通貨事業

提携会社(14%):DGコミュニケーションズ・・・不動産広告

 

(2)アプリ開発事例・・・当社が企画開発段階から請け負った

東急線アプリ(時差出勤してくれた人、例えば10時に渋谷駅を通過したらクーポンをあげる仕組み。)、大阪メトロ(圏内の観光情報)、三井ショッピングパーク(ららぽーと等のQRコード決済)、BOOKOFF(会員用のポイントカード機能)

 

(3)スマートスピーカーのスキル(アプリ)開発

従来、スマートスピーカーのスキル(アプリ)の開発はプログラマー等の専門家しか作成できなかった。それを一般の素人でも作成できるように開発プラットフォーム「NOID」を立ち上げた。管理画面上で「こういう質問が来たらこういう回答をする」をマウスとキーボードの文字入力で登録すると設定したとおりにスマートスピーカーが利用できるようになる。このパータンが累積したものがスキルになる。このようなプラットフォームは海外では事例があるが、国内では当社が最初である。

スマートスピーカーは、昨年の秋から発売され普及しだしたところであるが、今年度の出荷台数20万台18億円、2025年には165億円の市場になる。

現状は、Amazonのスマートスピーカーのスキルから始めるが、順次グーグル、LINE などにも対応していく。

マネタイズの方法は、当社のプラットフォームのライセンス料として月額での有料プランを設けている。顧客企業からカスタマイズの要求があれば開発料も考えている。

 

(4)電子地域通貨を提供するためのシステムの提供(MoneyEasy)

MoneyEasyは、スマートフォンによるQRコードを用いた電子地域通貨での決済システムである。コインを個人間で送金できるし、加盟店間でも使える(居酒屋が酒店で電子地域通貨で仕入れする)等、まさに地域内で電子地域通貨がぐるぐる循環するような機能を持たせている。スマホ決済、QRコード決済は非常に多くのメガプレイヤーが参入してきているが、当社はメガのように全国一律でやるのではなくて、地域をぐっと絞り、その地域ではどこでも当社の決済手段が使えるようにし、その地域の住民の方にこそ使っていただこうというところで差別化・特長化を出している。2017年12月に飛騨高山で「さるぼぼコイン」を発行したが、6カ月で飛騨高山4000店のうち、2割まで普及してきている。日常的にスーパー等でも使えるようにし、その領域の方々の生活に浸透するようなやり方で差別化をはかりたい。従来のスマホのQRコード決済方法は、お店側に負担がかかるようになっている(店側が決済用の機器を購入し、金額入力し、レシートも渡す)が、当社のQR決済方法は店側に決済用の機器を購入させず、店にはQRコードのポスターがあるだけで、客の方がそれを読み込み、自分のスマホに金額を入れて決済する方式をとった。店側に負担をかけさせないで導入しやすくした。確かに逆に客の負担は増えるが、客の側は日常的に使っているのですぐに馴れてくる。飛騨高山でもうまくいっている。

地域電子通貨事業は8月1日より会社分割で子会社としたフィノバレーで行う。

他に小田急電鉄の「新宿シネバルコイン」(2018年7月2週間程度の期間限定発行)、木更津市君津信用組合の「アクアコイン」(2018年10月)の2つを発行した。

離島や温泉場に展開していく思想も会社としてはあるが、当面は、その地域の導入しやすさとか、導入したいという意思が強い地域であるところから広めてゆきたい。

電子地域通貨の発行は、地域の金融機関が発行主体であり、当社はそのシステムを提供する。したがって、地域電子通貨事業のマネタイズ(収益化)の方法は、電子地域通貨プラットフォームのシステム利用料である。

電子地域通貨が将来仮想通貨になるかはわからないが、地域で使われる通貨であるから価格変動があると使いずらいので1円=1コインに固定している。電子マネーに近いものであり、仮想通貨とは違うと理解してほしい。

 

(5)DGマーケティングデザイン(8月1日より80%保有子会社)

この度デジタルガレージより会社分割して子会社化した同社は、セールスプロモーションの会社で、企業の新商品や会社全体のトータルブランディングをし、デザインしてクリエイティブを作っていく事業を行っている。WEBサイトでのセールスプロモーションといったオンラインの製作はもちろんであるが、店頭什器(スーパー等で新商品が出たときに特別な棚を設け、そこに旗を立ててセールスプロモーションする)の製作等オフラインの事業も行う会社である。まさに当社のO2Oビジネスと連携できる。O2O事業ではスマホでの誘導までであったが、これにより店頭で買うところまで販促の効果を高められる。

 

(6)DGコミュニケーションズ(8月1日より14%保有提携会社)

同社は不動産広告業界でのリーディングカンパニーであるが、よりデジタルな取り組みを始めている。家賃をクレジットカードで払えるようにしたり、自分の住んでいるマンションの価格がいくらなのかを検索できるようにしている。今まで当社が手掛けてきたO2O事業は店舗の視点であるが、不動産というのは生活者の視点である。生活者の視点に立つと、その地域で企業ごとに情報が提供されるより、トータルで情報が提供された方が便利ではないか等、当社のビジネスを生活者の視点に変えて新たに事業(ライフデザインビジネス)を展開してゆけるのではないかと考えている。

 

(7)O2O事業の深化・・・データマーケティング

従来のO2O事業は情報発信のところを強みにやってきたが、今後はその機能を強化し、価値を高めるためにアプリデータプラットフォーム、すなわちスマホアプリの消費者の操作記録データを蓄積し、それを分析することで、より見てもらいやすい、反応してもらいやすい情報を発信していこうという取り組みを進めていく。

 

(8)デジタルガレージグループとの提携

2017年5月に提携開始したデジタルガレージグループは、代表的な事業でいうと「食べログ」をやっている会社である。

 

一番有望に感じたのスマートスピーカーの分野でした。もちろん「食べログ」のデジタルガレージとの提携は大注目です。私は大阪メトロのアプリ「Otomo!」入れてますが、もう少し洗練されたものにしてほしいなという気持ちです。

終了は11時40分、お土産は無しです。社長も頑張って説明してくれていたので最後に拍手くらいはと思いましたが、なかったです。

以上、アイリッジ株主総会レポートでした。

 

 

 

第11回 3446 ジェイテックコーポレーション株主総会レポート2018.9.27

第11回はジェイテックコーポレーションの株主総会です。同社は大阪大学発の産学連携ベンチャーでオプティカル事業(X線ナノ集光ミラーの開発製造販売)を中心に展開し、成長ドライバーとしてライフサイエンス事業(IPS細胞培養装置等)を持つ、新規上場企業としてはすっかりめずらしくなった「モノづくり」の会社です。今年2月の上場時は「上場バブル」の様相を呈していたため、2250円の公募価格に対して13490円まで跳ね上がり、その後3725円まで大暴落となり、「上場後株主全員負け組」となってしまいました。事業の展開とは全く関係ないところで株価が乱高下した同社ですが、規模はまだ小さいものの、事業の将来性・技術開発力・収益性は非常に高く、これからに大いに期待したい銘柄です。

会場は大阪堺筋本町のヴィアーレ大阪の2階会議室で午前10時より開催されました。机付きの席が105席に対して、出席株主は30名弱といったところです(総株主数3598名)。関西企業は、スタジオアタオ(神戸)・幸和製作所(堺)に続き3社目ですが、東京に比べて出席者は少ないという印象です。事業説明会もなく、株主に対して説明責任を果たそうとする意欲もいまいちであまり盛り上がりません。

社長挨拶、監査役監査報告、スクリーンでの事業報告と型どおりの儀式の後、質疑応答がありました。

(質問1)開示資料からは当社がどのような(ミラーの)生産体制をとっているのか、わかりずらい。➀今まではどのような生産体制をとっていたのか?➁新工場が建設されると生産体制は変わるのか?➂上場時の日経新聞記事によると2025年にはミラーの売上高は今の10倍以上の100億円を超える計画とのことであるが、新工場の規模でそれが達成できるのか?(回答1)生産形態は、まず材料を手配し、前加工まで外注で行い、当社で得意とするナノ加工技術EEMとナノ計測技術RADSI/MSIにより最終仕上げをしてゆく。来年に新工場ができてもその生産形態は変わらない。生産力は来年の新工場の完成により2倍まで拡充する。生産力は2倍であるが、工場の面積は5倍を確保している。これは2025年にミラーの売上100億円を達成するためのキャパシティを確保しておくためである。2025年までに生産効率を上げ、設備投資も行い、達成してゆきたい。

・・・・日経記事の売上高100億円計画が憶測記事なのか非常に気になっていました。きちんと会社計画にあることが確認できたのはよかったです。

(質問2)BSで社長は当社はミラーしてる会社で日本一やという発言を聞き、私は友達にもみんな当社の株を勧めて、買わせまくった。株価が大暴落して真っ青になった。会社に電話し、訪問して、会社の写真も撮ってきた。会社を訪問して、本当に凄い、誰も真似できない技術を持った会社だとわかった。こんなすごい会社なんだから、もっとアピールしてほしい。みんなが知っている会社にしてほしい。買わした友達がみんな不安がっている・・・・・とにかく、日本で一番なってくれ!社長がんばれ!

・・・・自分の名前も告げず、大阪のオバチャンの強烈なまくしたてでした。株価のクレームかと思いきや、最後は社長への応援演説の趣旨だということでした。

(質問3)東証1部への昇格はどれぐらいの期間をみているのか?(回答3)東証マザーズは1部への昇格へのステップアップのための市場なので、その趣旨に沿ってできるだけ早く1部昇格を目指したいと思っている。

(質問4)会社の製品はどこに納入されているのか?(回答4)ミラーの納入先は海外の放射光施設が8割である。ユーザーとしては海外の国の研究機関である。前期はドイツの研究施設が売上高の3割を占めた。

(質問5)IPS細胞による様々な再生医療が開始され始めたことが、昨今いろいろ話題になっているが、当社の細胞培養装置はこれとつながってくるのか?(回答5)当社の培養装置は大量培養装置である。IPSは創薬とか再生医療に用いられるが、創薬でも再生医療でも現場では大量なIPS細胞が必要となる。その大量に培養する技術を当社は開発している。大阪大学医学部の心臓外科の先生方とIPSの大量培養の開発を共同でしている。また、横浜市立大学の先生方と軟骨の再生医療の開発をしている。

質疑応答は以上です。55分ほどであっさり終了です。しかし成長可能性は確認できました。お土産はなし、ペットボトルのお茶が提供されました。株主優待はいらないので、新工場完成のあかつきには、工場見学させてもらいたいものです。製品も実物を見なければ実感が湧きませんね。

以上、ジェイテックコーポレーション株主総会レポートでした。

 

 

第10回 6552GameWith株主総会レポート2018.8.22

第10回は、ゲーム攻略サイト運営のGameWithです。

同社は、2017年6月に東証マザーズに上場しました。①ゲーム攻略記事、➁ゲームレビュー(ゲームの紹介記事)、③ゲームユーザー交流サイト、④ゲームタレントによる動画配信(YouTube)、という4つのサイト運営によりゲーム会社等からネットワーク広告収入・タイアップ広告収入を得るという国内市場のみを対象としたビジネスモデルです。ここまでスマホゲーム市場の成長と共に業績の右肩上がりが続いてきましたが、スマホゲーム市場が成熟し、ユーザー数が横ばいになりつつあり、早くもビジネスモデルの転換期を迎え、この度、国内事業メディアから脱皮し、「世界のゲームインフラになる」という中期事業構想・中期事業戦略を発表しました(詳しくは会社説明会参照)。

株主総会は、本社のある六本木ヒルズ森タワーの49階で朝10時より開催されました。会場は机付で約100席、出席者は70名ほどでしょうか(総株主数7970名)。大画面のディスプレイがあり、株主発言マイク席が2か所設けられています。スピーチプロンプターまで使っている株主総会は初めてです。社長は29歳、過去の株主総会の社長の中では最もイケメンです。

総会終了後には会社説明会が開催されました。

監査役監査報告、ディスプレイ画面による事業報告の後、質疑応答に入りました。

 

(質問1)流動資産が多く、有利子負債もないが、このお金をどのように使うのか?(回答1)財務基盤の確立と積極的な事業投資を行っていきたい。特に海外展開と新規事業領域にキャッシュを使っていきたい。

(質問2)ゲーム記事を従業員が盗用する場合や、逆に盗用される場合、事業にどんなリスクがあるか?(回答2)当社の記事盗用問題が起こったことはお詫び申し上げたい。盗用先とは和解した。社内のガイドラインを改め、社員教育を徹底し、再発防止に努める。逆に盗用されることもあるが、それによって業績に影響したことはないし、PV数にも影響はない。

(質問3)今回の役員議案が役員5名から3名に減少する提案がなされている。社長以外の2名は社外取締役でしかも兼務が非常に多い。人数が少なすぎないか?(回答3)社外役員の村田氏は兼務多いが上場会社は当社のみである。武市氏はゲーム業界で経営をやってきて知見を持っており、当社の意思決定に適切なアドバイス・判断をしていただける。経営が多角化しており、その中で取締役が全ての事業に干渉・精通するのが難しくなっており、執行役員制を導入した。執行役員が業務執行における最高責任者ということで適切に判断できる人が迅速に意思決定を行うことで事業を伸ばしていく。

・・・・しかし取締役が3名だけで社長1名だけが常勤取締役という上場企業は初めてです。執行役員の相馬さんはCFOで経営戦略室長と紹介され、会社説明会も社長と2人だけで出席しました。CFOも取締役でないとはどういうことなのでしょう。株保有も社長1名だけですし、本当に特殊な会社です。まあ、取締役会なんて現実は儀式に過ぎない会社が多いので効率的といえば効率的ですが・・・。

(質問4)株主構成においてファンドが多いが、株価が下がるたびにどこかのファンドが売ったのではないかと噂される。ファンドとか、東証1部昇格とか含めて株主問題を今後どう考えるのか?(回答4)(執行役員相馬さん)東証1部へのステップアップについては公表しているところであるが、流動比率が低く、要件を充足していない。適当な手当てをして流動比率を確保してゆきたい。また、IRの方針だが、長期的な企業価値向上を積極的に推進しようとしている。この度中期事業戦略を公表したが、公表しただけでなく、実現するためにしっかりと経営に邁進し、その進捗状況を株主に説明してゆく機会を増やし、株価形成をしてゆきたい。

(回答5)中国のゲーム規制の影響は、今のところない。今後はわからないが当社は国内市場なので直接影響はないと考えている。

 

以上で株主総会は終了しました。終了10時40分。15分の休憩を挟み、会社説明会が行われました。

 

(会社説明会)

会社説明会は、国内事業メディアから脱皮し、「世界のゲームインフラになる」という中期事業構想・中期事業戦略の具体的展開の説明です。その内容は以下の4つです。

(1)海外展開

(2)ゲーム×ブロックチェーン

(3)eスポーツ

(4)ゲーム×資金調達

映像解説→社長の説明→質疑の流れでしたが、各項目ごとにまとめて報告します。

(1)海外展開

これまでは国内メディア事業で売上をつくってきたが、今後は海外展開や新規事業領域をテーマに事業をすすめていきたい。台湾版GameWithは順調で、東南アジアゲーム攻略サイト会社にも投資した。また、フィリピンに拠点を作り英語圏に向けて準備している。すでにメディア自体はリリースしている。今後記事を開始していく。自前でやるというだけでなく、海外の攻略サイト会社への出資もどんどんやり海外進出のスピードを高めたい。

英語圏の攻略サイトはCGM型といってユーザー投稿型のサービスが大きなシェアを持っている。日本もかってはそうだったが、当社がプロのライターを育てライター雇用型という質の高いビジネスモデルを作った。CGM型は投稿者がビジネスとしてやっているわけではないので、質や継続性に問題がある。当社のビジネスモデルはコストは高いが質や継続性の面で優位性がある。

(2)ゲーム×ブロックチェーン

今のゲームはゲーム会社が提供するゲームをユーザーがお金を使って楽しむが、ブロックチェーンのゲームはお金を使って楽しむだけではなく、そのゲームの中で手に入れたレアアイテムをユーザーが自由に他のユーザーに売却してお金を得て生活することが可能になってくる。ゲーマーがリスペクトされ、ゲームが仕事になり、ゲーム内の活動がGDPを構成する、というような世界観を目指している。

ブロックチェーンによるゲーム自体も当社が開発する。未開拓市場であり、当社が市場・事例を作ってゆきたい。ブロックチェーンのゲームが浸透すれば、アイテムを売買するプラットフォームとか、ブロックチェーンのゲームを見つけるためのストアとかに参入したい。

ブロックチェーンのゲームを開発するための体制は、人数については言えないが、既にスタートしている。正式に発表できるフェーズに来たらプレスリリースする。

現在のオンラインゲームは国内では基本的にアイテムを売買することは規約で禁じられているものが多い。そもそも現在のゲームはアイテムが売買される設定でつくられていない。そのような設定がないので、売買すると賭博性の問題が出たり、そのゲームの世界観を潰してしまうことになる。一方、ブロックチェーンのゲームはそもそも売買することが前提で作るので、アイテムが売買されることに問題はないと考えている。

ブロックチェーンは分散型のデータベースであり、(当社も含め)特定の企業がデータベースを持つわけではなく、そのゲームのアイテムの取引プラットフォームを誰でも作れたりする。そのようにオープン化することによってゲームをしない人もアイテム売買の市場に参加できるようになる。誰でも参入できる分散型データベースを使ってやるというのは市場の流動性を高めるためにはメリットがある。

ブロックチェーンのゲーム開発は数億円かかるものではなく、もっとコストを抑えたカジュアルなものを考えている。当期(2019年5月期)の業績には寄与しないが、ゲーム自体は今期中のリリースを目指している。

(3)eスポーツ

eスポーツ市場は年27%成長している。当社は、クラッシュロイヤルという世界中でヒットしているゲームのプロチームを作り、アジア大会に参加し、2位という結果を得た。今は1チームだが、複数のタイトルゲームでの展開を考えている。チームとしての参入だけでなく、大会運営も携わってゆきたい。国内市場はまだ未成熟であり、ゲーム会社がゲームのプロモーションの一環としてeスポーツ大会をやりたいというニーズが出てきているので、この大会運営をサポートしてゆく。これによりゲーマーにも目標ができ、熱量が上がる。

具体的なマネタイズの方法は、①大会の賞金、➁ユニホームにつけるロゴ宣伝等のスポンサー料、③ゲーム会社のプロモーション、特に動画を使って有名選手にゲームのプロモーションをさせるのは当社の得意分野である。

プロチームは当社が全面的にコスト負担する方式だけでなく、リーグにチームとして参戦し、リーグ運営側から参加報酬をもらう方式も考えられる。国内市場は未成熟なのでマネタイズモデルはまだ確立していない。リーグに参加し、リーグから参加報酬・賞金・スポンサー料をもらえるようにしたい。国内では賞金も低いので世界大会で勝っていけるチームを作りたい。

また、ゲーマーが憧れの存在になり、高校野球の甲子園のようなゲームの大きな大会が開かれ、そこが子供たちの夢の舞台になるという所を作ってゆきたい。

(4)ゲーム×資金調達

ゲームに係る開発費用はどんどん高騰してきており、従来よりリスクをとってゲーム作りをする会社が減ってきている。一方で、ゲーム市場は新しいゲームがどんどん投入され続けることが絶対的に必要な要素である。そこで、ゲーム会社が全てのリスクを負って開発資金を出すのではなく、ユーザーからの資金を集めてゲームを作り、そのゲームがヒットすれば、ユーザーにも利益還元されるというようなゲーム開発資金調達のプラットフォームをつくってゆきたい(・・・当社自身が資金調達してゲームをつくるのではなく、ゲームを開発する人たちが資金調達するためのプラットフォームを当社が提供する)。

資金調達方法はICOではなく、クラウドファンディングに近い形を考えているが、いろいろなやり方を検討中で、まだ未決定である。既存のクラウドファンディングを利用するのではなく、当社がプラットフォームを開発する。ゲーム開発のリスクは高く、ゲーム開発資金を集めてもゲームがリリースできないことは結構あるので、まずプラットフォームを運営するにあたっては、資金調達するゲーム開発チームの開発能力の審査や調達した後の開発の進捗状況をチェックするなど、他のクラウドファンディング企業ではマネできないユーザーの投資を保護できるようなゲームに特化したプラットフォームを構築する。

マネタイズの方法としては、資金調達時に一部手数料としていただくか、開発されたゲームの収益の一部をもらうか(レベニューシェア)、完成時の売買手数料としてもらうか、いろいろな方法を検討中である。

(5)その他・・・既存国内事業の成長性

当期の売上高予想・(成長戦略投資考慮前の)営業利益予想とも伸びが大幅に減少したのは、スマホのゲーム市場が成熟期に入ったからである。当社の市場シェアは減っていないが、市場そのものが伸び悩んでおり、ユーザー数、PV数は横ばいである。ただ、一人当たり広告収益は伸びている。広告には自動的に配信されるインター広告、アドテクを使ったヘッダー広告、企業とのタイアップ広告等があるが、その中で企業とのタイアップ広告(ゲーム会社から広告料をもらいゲーム攻略記事を書く等)が特に伸びている。

会社説明会は以上のとおりでした。終了は11時50分。お土産はなしです。水とお茶のペットボトルをもらいました。

マザーズ市場は「全銘柄大暴落」と言えるほどの悲惨な様相を呈しており、当社の時価総額も191億円まで縮んでおります。中期事業構想は半信半疑というところですが何とか頑張ってほしいものです。

以上、GameWith株主総会レポートでした。

 

 

第9回 3843フリービット株主総会レポート2018.7.26

第9回は、フリービットの株主総会です。同社は「インターネット」の会社です。2007年に東証マザーズから東証1部に鞍替えしました。時価総額は244億円。事業は以下の5つです。

①ブロードバンド事業・・・・中心は、新築(投資用賃貸)マンション・アパートにインターネットを入れる仕事。日本のハウスメーカー上位3社を独占するほどの強みを持つ。

②モバイル事業・・・・中心は、携帯通信網を持つキャリア3社から回線を借り受ける格安スマホ事業者(MVNO)への導入サービス(MVNE事業)。同時に持分49%の関係会社トーンモバイル(残りの持分51%はCCC)が格安スマホを扱うMVNO事業そのものを行っており、持分法適用会社として密接な関係を有する。

➂アドテクノロジー事業・・・・インターネット広告・アフィリエイト広告

④クラウド事業

⑤ヘルステック事業・・・・調剤薬局向けポータルサイト「EPARKくすりの窓口」、アプリ「EPARKお薬手帳」

①と③が稼ぎ頭であり、⑤が成長エンジン、②が事業リスク要因、④は全く話題にならないという感じです。詳しいビジネスモデルは事業説明会のところで解説があります。同社は2020年4月期に「売上高500億円、営業利益50億円」を達成するというコミットメントを中期事業計画(SILK VISION2020)に掲げ、邁進中です。

会場は渋谷駅横の渋谷マークシティイースト内にある渋谷エクセルホテル東急6階のプラネッツルームで、午前10時より開催されました。机無しイスのみで、全160席、出席者は80名~90名といったところでしょうか。株主数は6061名です。受付でお水のペットボトルをもらいました。インターネット開示事項もプリントアウトして各イスに置いてあり、親切心を感じました。個別注記表もよく読むと大事なことが書いてあります。総会はわずか40分で終了しました。質問は2つだけ。びっくりするぐらい誰も質問しないという意味で異様な総会でした。他の会社では恒例となっている高齢者の方からの株価クレームもない上品な総会です。

経営は石田会長と田中社長の二刀流でやっているような感じです。石田会長が全体的なビジネス展開及びCCCとのトーンモバイル事業の取り組み、田中社長がヘルステック事業を担当しているようです。監査役監査報告、ディスプレイによる事業報告の後、質疑応答に入りました。

(質問1)モバイル事業を懸念している。モバイル事業はずっと赤字で、MVNOのトーンモバイルの持分法投資損失もここ3期間、△6億円・△4億円・△3億円と損失を出している。モバイル事業のセグメント資産も30億円もあり、今後大きな減損損失が出たり、トーンモバイルの大きな持分法投資損失が出るのではないか?

(回答)

当社のモバイル事業は、MVNO事業者に対してネットワークおよびその周辺のシステムを提供している卸ビジネスである(MVNE事業・BtoBビジネス)。スタート当時は設備投資が先行したものの、競争が少なく速いスピードで売上が立ち上がったが、その後、3年程経過し競争が激化し、単価が下がり、市場が成熟してきた。しかし大手キャリア3社が独占している巨大市場であり、消費者の負担感も重くなっていることから、営業展開する余地はまだまだある。いろいろな顧客チャネルをもっている会社から多くの引き合いをもらっており、1ユーザーいくらといったような卸単価を設定した取引で契約している。将来減損損失が発生するリスクはない(田中社長)。

トーンモバイルはCCCと組んだ合弁会社であり、当社が設備を卸し、BtoCで展開してゆくMVNO事業を行っている(要するに格安スマホ事業)。トーンモバイルはLINEモバイルと同じ規模である。特許技術のおかげでかなり粗利率の高いビジネスになっている。継続課金部分で40%~45%の粗利率である。先行投資があって赤字が続いてきたが、もう黒字化が近い。トーンモバイルは当社のMVNE事業においても第2位のMVNO事業者の地位にまで成長してきた。(石田会長)。

・・・・以上のとおり、お二人ともモバイル事業とトーンモバイルの黒字化は自信満々でした。これらが黒字化に転じれば利益へのインパクトはかなり大きいです。しかし今週号の東洋経済(7/28号)にもMVNOの厳しい現状についての記事がありました。ここは注目です。

(質問2)社外取締役の吉田和正氏は日々会社にどのような助言をしているのか?(回答)インテル日本法人の社長をされいた、ITの市場動向・テクノロジーの状況に最も詳しい方である。いつも最新の情報にアクセスできる。他のテクノロジー上場会社の社外役員も多くやっており、そこからの知見も得られる。(ご本人より一言)電子部品からさまざまなデバイスができ、それをプラットフォーム化し、その上にサービスが提供される中で、次にどのようなリノベーションが創造できるのか、それをどんな戦略で事業化するのか、そういうことを一緒に考え、企業価値を向上させてゆきたい。

・・・・いい質問です。社外取締役の最大の職責は株主共同利益の代弁者としての役割です。社外取締役が日々の取締役会で株主共同利益の立場からどのようは助言提言をしているのかは株主総会で報告されるべきです。株主総会で株主から社外取締役にこういった質問を浴びせてこそ本来の社外取締役の機能が活性化するのではないでしょうか。

質問はこれだけで総会は終了し、20分の休憩を挟んで、事業説明会に入りました。

事業説明会

(1)田中社長より事業進捗の状況

2020年4月期に売上高500億円、営業利益50億円をお約束している。まだ投資家の方々には信じてもらってないようなので、株価に反映されていない。しかし十分に50億円は狙えるところにいる。そのプロセスを説明する。

アドテクノロジー事業・ヘルステック事業・不動産テックの3つが成長することによって営業利益50億円を達成する。

(アドテック事業)

その中で一番安定しているのがアドテック事業である。規模が大きくなるにつれて成長率は落ちているものの市場規模は拡大しているので、2020年4月期には20億円レベルの利益が出せる(現在12億円)。

(ヘルステック事業)

ヘルステック事業は売上が急増している。前年度4Qで黒字化を達成し、今年度も黒字で推移している。ビジネスモデルは、病院で処方箋をもらえば、それをスマホで撮影し、行く予定の調剤薬局に送信すると、薬局で待つことなしに薬がもらえる。1万2千店の調剤薬局と契約し、「EPARKくすりの窓口」というインターネットメディアとかスマホアプリ「EPARKお薬手帳」を提供している。お薬手帳により患者さんも料金が安くなり、調剤薬局も保険点数が増えるという構造になっている。膨大な医療関係の情報が集まる。現在月間10万件の情報が入ってくる。データそのものをどうビジネス化するかはまだ決まっていない。調剤薬局向けに事業をしている会社は少なく、競合がないということで市場伸びに合わせて業績も成長できる。

また、介護施設では介護ヘルパーが集まらず、労働もきつい。そこでそれを手助けするために今まで紙でつけていた介護記録をデジタル化して効率化する「コメットケア」という介護記録システム事業を開始した。業界NO1の介護施設に採用してもらっている。また小規模事業者用にも業務軽減の介護記録アプリ「介護サプリ」を提供している。

・・・・業界知人からの情報ですが、調剤薬局向けビジネスは金払いもよく、モラルも高く、営業もかけやすく、奇跡のように美味しいビジネスだと言ってました。逆に病院は、金払い悪く、営業かけにくいとこらしいです。

(不動産テック)

集合住宅(投資用賃貸マンション・アパート)向けのインターネットサービスおよびそれにIOTサービスを付加する不動産テック事業は今まで35万戸を累計で提供してきた。単身者向けのアパートやマンションが多い。単身者の生活はスマホが必須だが通信制限の関係で家では固定回線をベースにしたWi-Fiを使いたいというニーズが高い。当社の提携は大手のハウスメーカー上位3社を独占的に提供している。当期も10万件超増える。他にもIOTサービスについてVRとか、民泊の会社(UME、ナーブ、百戦錬磨)への当社のネットワークの提供とか、イオンハウジングネットワークと最先端ITソリューションのコミュニティサイトをイオンモールにオープンしたりしている。

 

(2)石田会長より中長期のプレゼンテーションです。

2020年より先に対してどういうベクトルを持っているのか説明する。

2029年にAIが人間の脳を超えてゆくシンギュラリティが起こる。

それに合わせてあらゆるテクノロジーの進展が加速してゆく。

(ブロックチェーンに管理された(信用の)インターネット)

AI、5G、IOTがインターネットではなく、ブロックチェーンの上に乗ってくる。データが改ざん不可能になる。インターネットは「BIT」の流通を実現してきた。ブロックチェーンは「信用」の流通を実現する。これは大きな変化になる。フリービットはインターネットを広げて社会に貢献するという理念を持っているが、我々が広げていかなければならないのは「信用のインターネット(Trusted Internet)」である。インターネットは今までさまざまなプラットフォマーが支配してきたが、ブロックチェーンがインターネットの上に乗ってくると、中央集権のデータベースやその管理機能が必要なくなる。プラットフォームなしにさまざまなアプリケーション、通貨すらもアプリケーションで書けるようになってくる。プラットフォーマーではなく、ネットワークサーブがそのような信頼を担保する時代になってくる。サーバーすらも必要なくなる。当社は、インターネットのインフラを担ってきたが、インターネットのインフラをブロックチェーンで管理してゆく。改ざん不可能なインターネットインフラ、侵入されても改ざん不可能な、改ざんされても瞬時にわかる仕組みというものを入れていく。この上にあらゆるデバイスを乗せていき、フリービットのインターネット網を使っている限り自然に信頼(Trusted)できるというものにしていく。

(ライフスタイル2.0)

EUでGDPRが施行された。インターネット上の個人情報の所有者は個人であり、プラットフォーマーではない、という考え方。基本的人権の中に個人情報をコントロールする権利を法律として定めた。具体的にはログに残っているデータを削除要求できる権利、ログにある自分の情報を全部自分で回収して他に移せる権利を与えられた。信頼されたインターネットの中にこういうGDPR時代の新たなユーザーとの関係を考えてサービスを組み上げなければならない。プラットフォーマーの時代からブロックチェーンによる分散化の時代、それにユーザーとどういう契約を結び、どういうユーザー体系を構築してゆくのかが重要になってくる。

(トーンモバイル事業)

トーンモバイルでは、行動把握エンジンというのを使い、 今子供が歩いているのか、立ち止まっているのか、車に乗ったのか、電車に乗ったのか、が瞬時にわかるようになっている。トーンモバイルを子供が持っていれば、連れ去りの瞬間に通知が来る。また、お年寄りの特殊詐欺被害もトーンモバイルで月間数千件ブロックできている。このように専用端末でやるサービスのほか、これらをアイフォンでも利用できるようにSIM化・オープン化するサービスも手掛ける。端末のお試しレンタル(無料貸し出しサービス)店舗を増やしている。Tカードに住所があるので手続きが簡単である。TUTAYAはレンタル得意であり、お試しレンタルすると41%が購入にもつながっている。・・・その他健康利用・フィンテック機能・オープン化等の話がありました・・・すごいスピードで話についていけません。最後にトーンモバイルの見守り機能の音声スピーカー化の実演がありました。

・・・・以上で事業説明会は終わりました。是非とも「ブロックチェーンに管理された(信用の)インターネット/ライフスタイル2.0」の展望をIRで表明していただきたいものです。会社のIR資料にはAI・ブロックチェーン・5G・ビッグデータ・フィンテックといった最新テクノロジーワードは一切出てきませんので気になっていました。いまだに「インターネットの会社」というのはブランディングとしてはどうかと思います・・・・。

最後の株主の質問で、(私は)売上高500億円、営業利益50億円の達成はまだ疑っており、達成できない場合、社長は持株を10%以下に減らす宣言をしてくれと半分冗談まじりでの提案がありました。社長は「1000人の従業員が目標達成に向けて必死で頑張っている。それで達成できないなら僕はクビかな、と思っている」と笑いながら仰ってました。

やはり目標達成に並々ならぬ自信を感じました。

終了は12時15分でした。お土産はフリービットの会社ロゴが入ったアンリのクッキーでした。クッキーそのものにもロゴが入ってました。まめですね。

以上、フリービット株主総会レポートでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第8回 3561力の源ホールディングス株主総会レポート2018.6.25

8第8回は力の源ホールディングスの株主総会レポートです。

同社は、「一風堂」というブランドの博多ラーメン店を中心に展開している会社です。2018年3月末現在で224店舗(国内134、海外82、その他8)(直営167、ライセンス契約店57)を運営しています。時価総額は332億円です。2025年までに国内300店舗、海外300店舗を目指しています。

創業33年目を迎える同社は、2017年3月に東証マザーズに上場し、1年後の今年の3月には東証1部に昇格しています。国内は究極のレッドオーシャン市場の飲食事業ですが、海外での展開力にその成長性が期待されています。

会場はJR博多駅から徒歩10分のグランドハイアット福岡で午後1時より開催されました。キャナルシティ博多という所にあるのですが、構造が複雑で、何階なのかもいまいちわからず、方向感覚がなくなるような場所で散々迷いました。座席数はイスのみ295席ありました。出席者は150名(総株主数7818名)といったところでしょうか。博多では超メジャーなラーメン店でしょうから、いろんな関係者のような感じの方が出席されており、着物姿の女性もいました。ちょっと他の総会とは雰囲気が違います。大きいディスプレイがあり、それで説明する方式です。

経営陣は、創業者の河原会長と、実務者である清宮社長の2本柱で運営しています。粕谷取締役もなかなか頭の切れる方とお見受けしました。

質疑応答の概要は以下のとおりです。

(1)東証1部に昇格してから株価が下がり続けている。中間決算から東証1部発表まで1000円前後から2700円まで急上昇し、短期的なトレードによる値動きがあった。その後、本決算発表後材料出尽くしにより下げ、信用取引期日の投売り、外資系の空売り勢にやられて下げてしまった。需給面の株価の動きであり、会社の原因によるものではない。やはり基盤は企業業績で、これをきっちり達成し、それにブランディングやIR活動を通じて企業価値向上をしてゆきたい。

(2)女性の幹部登用や外国人役員の必要性は役員会でも議論となっている。女性とか外国人とかではなく、適所適材で候補者選定をやってゆきたい。やはりラーメン業態なので女性は2割程度しかいない。今後は男女同じ比率で採用したい。そうやって女性幹部も養成していきたい。

(3)出店のための資金計画については、金融機関とシンジケートローンを締結しているため、大丈夫である。飲食店は投資回収が読み易く、きっちりやれば問題ない。

(4)(質問)牛丼チェーンやコンビニは店舗が減少している中で、積極的な店舗展開をするという方針で本当にいいのか?海外もリスクが高い。(回答)国内は、投資・人件費を抑えた出店、すなわちフードコートを中心に出店を進めている。海外は、インバウンドアウトバウンド含めて東京オリンピックに向けて事業成長することは、そこからの成長を加速するためにも大きなチャンスだと思っている。オリンピックまでは事業規模を拡大してゆく方針である。そこまで成長すれば2020年以降は営業キャッシュフローと投資キャッシュフローが同じくらいになり、多額の資金調達が必要にならなくなる。

(5)国内は300店を目指すと言っているが、「一風堂」の出店は慎重にやっていきたい。既存店を再強化する。出店のチャネルが大きく変わってきている。商業施設(モール等)に人口集積してきており、投資回収の比較的早いブランドで出店を進めていく。海外は50店舗を超えるまではリスクの高い出店であったが、13か国84店舗になった今では、リスクを分散できる形で信頼できるパートナーが海外にできてきた。

(6)海外事業は、中国中心に合弁事業からライセンス事業に切り替えているが、中国では現地の出店の意思決定の迅速性が非常に大事であるから、合弁で日中双方で合意してたら遅くなり、いい物件を逃すので、中国側が独自で判断できるライセンス方式にした。

(7)(質問)海外事業売上高62億円のうち、ロイヤリティ収入はどれくらいか?ライセンス契約の収益性は直営店に比べて高いのか?(回答)ロイヤリティ収入は言えない。しかし現在の海外収益はほぼ直営店の利益であり、ロイヤリティ収入はほとんどない。これまで契約条件がよくなかったので、ライセンス契約に切り替えていっている。ロイヤリティ収入はそのまま営業利益に直結するので、ライセンス契約の店舗が増加していくことはこれからの収益には大いに貢献すると予想している。そういうフェーズに入ってきた。

(8)(質問)株価にはブランディングが大事である。力の源ホールディングスという名前では何の会社かわからない。一風堂という名前の方がよかったのではないか。(回答)力の源=一風堂とは確かに認識されていない。33周年の節目に向けてしっかりPR,IRしてゆきたい。

(9)(質問)海外では一風堂は1杯2000円、日本でも1杯1000円と高いので高級ブランドである。もっと安いブランドがあってもいいのではないか?(回答)ブランド展開を現在整理している。現在海外各店舗特にシンガポール10店舗で、ラーメンにいろいろ変化をつけながら実験中である。より低価格でクイックなブランドを検討中である。ニューヨークのフードコートでKURO-OBIという鳥白湯の低価格のブランドラーメンを展開して実験している。

(10)(質問)アメリカンチャイニーズレストランのPANDA EXPRESSを買収したが、チープな味なので日本人に合わないのではないか?(回答)PANDA EXPRESSの出店は日本国内で味が同じでいいか、いろいろ悩んだが、川崎や木更津に出店したら、懐かしい味だということで元留学生や外国人に人気があってうまくいっている。ハワイやロサンゼルスで食べてた人が多い。そのため、味は米国にそろえた。

株主総会は1時間10分程度で終了しました。その後、20分の休憩を挟んで「経営方針説明会」を開催しました。

経営方針説明会の内容は、①会社の概要、②事業環境、③グループの特長、④成長戦略と中期目標、⑤暖簾分け制度、の報告でした。

興味あった論点をかいつまんで説明すると以下のとおりです。

国内事業環境は、外食・中食の切り分けができなくなっている。セブンイレブン(コンビニ)・アマゾン(宅配)・ウーバー(宅配)がどういう展開をするのか注視している。店舗数増加がそのままチャンスになる時代は過ぎ去った。外食・中食・コンビニ・宅食・宅配を一体で見なければならない。トリドール・吉野家等外食のメインオペレーターがどんどんラーメン店を買収している。また、とんこつ・しょうゆ等のジャンルが細分化している。単一業態依存リスク、全国展開依存リスクもあり、マネジメントはエリアマネジメントに変える。宅配宅食対応のためにPANDA EXPRESSを買った面もある。

海外は13か国出ているが、シンガポール、オーストラリア、USA、台湾、中国、フィリピンの順に業績が良い。今期来期は北米(西海岸、ニューヨーク)と東南アジアをターゲットにしている。

2025年までに国内300店、海外300店、来客数1億人を目指す。工場建設等の商物流改革にも取り組んでいく。

国内店舗展開は直営店もさることながら、従業員を独立させる暖簾分け制度を導入した。従業員が退職し、会社を設立して店舗を業務受託して運営する。大阪長堀店、大阪難波店、東京銀座店、札幌等28店舗を暖簾分け店舗にした。暖簾分け店舗は接客の質が既存店より高い(ビデオ報告あり)。

海外の従業員教育にも力を入れている。外国人も日本でグローバルの人材として育てていくための研修を行っている(ビデオ報告あり)。

(質問)韓国の3店舗は閉鎖したようだが、なぜか?今後は展開しないのか?(回答)ライセンス契約の会社で5年間の契約でやりうまくいっていたが、その会社は百貨店業だったがそれが傾いたのでやむなく断念した。韓国の食文化は特別で日本の外食もどんどん廃業している。ラーメンは袋麵がメインでなかなか難しい市場なので、今後は展開を予定していない。

(質問)ハラル認証、ベジタリアン、食物アレルギーの問題等海外でどう対応するのか?(回答)ハラルはまだまだ日本で正しい情報が不足している。経産省の指導が必要。また、外国企業とのパートナーシップ等で解決したい。インドネシアに直営店をつくり探っている。

説明会は1時間弱で終わりました。終了は15時20分。

お土産には、ラーメン券2枚をもらいました。帰りに博多駅中のビル10階の一風堂で白丸元味を食べました。美味しかったですが、さまざまなラーメンを食べている日本人としては、めちゃくちゃ美味しいというわけでもなく・・・・。とにかく海外展開こそが成長力の鍵だと思います。

 

以上、力の源ホールディングス株主総会レポートでした。

 

 

 

 

 

第7回 4319TAC株主総会レポート2018.6.26

第7回はTACの株主総会です。
TACは「資格の学校」として有名な受験学校です。
事業は、①個人教育事業、②法人研修事業、③出版事業、の3つを主力事業としており、売上高は①が圧倒的に多いのですが利益はほぼトントン、収益は圧倒的に②に依存しています。
時価総額はわずか61億円しかありません。東証1部2094社中後ろから56番目くらいです。

同社は、私が保有する唯一のバリュー株です。バリュー株とは、私的に定義すれば、①成長が止まり、②業績が横ばいになり、③投資機会も少なく、④資金が余っている、会社を言います。
株価は「成長期待」で上昇しますので、バリュー株は安値で放置されます。一方で、潜在力はあるので、会社に変化が見られたり、事業の成長性が見直されたりすると、突然ブレイクするときがあります。

会場はJR水道橋駅から徒歩5分のホテルメトロポリタンエドモンドで開催されました。となりではファンデリーの株主総会もやっており、同社の株主でもある私としては後ろ髪引かれる思いでTAC会場に入りました。席は156席イスのみ。出席者は100人は超えていたと思われます。

同社はここ数期にわたって講師と元生徒とのトラブルに絡んで株主提案がなされており、かなり荒れるという噂はありましたが、会場は役員が雛壇に座り、株主席との間に乗り越えられないような敷居があり、従業員が何人もにらみをきかせ、株主席にも従業員・講師株主と覚しき方々が前列に陣取り拍手喝さいするわ、不規則発言・ヤジは相次ぐわ、動議は出るわ、という1980年頃にタイムワープしたかのような物々しい雰囲気の株主総会でした。通常株主の発言者にはマイクを回して発言させますが、この総会ではマイクのある設置場所に株主を移動させて発言させるというやり方です。

ショックだったのは、斎藤社長が議長として株主総会を仕切れないほどお身体を悪くされていることでした。業界のカリスマとして一世を風靡した方だけにそのお姿は痛々しく、カリスマからの事業承継がスムーズにできるのか、大きな経営課題であります。

議長は多田副社長が就き、議事が進行しました。大きなディスプレイで決算説明が終わった後、議決に移り、株主提案者に意見陳述の機会が与えられました。

剰余金の配当議案提案者は、この5年半で49億円現預金が増加し、運用含めてキャッシュも80億円あるが、この間、投資も配当も全くしていないので、期末20円の配当を要求するものでした。①平成16年3月期から平成23年3月期までは全ての利益を配当してきたこと(配当性向100%超)、②赤字に転落した平成24年以降は低配当方針に変更したが、最近では配当政策をまともに述べなくなったこと(低配当にする理由がなくなった)、③20円という配当額は、同社の株価は配当額に大きく連動するので株価上昇のためにも必要である、④株主政策が厳しすぎる、と述べました。

次にトラブルに絡んだ株主提案者が、意見を述べましたが、省略します。発言中に議長不信任動議が出たり、他の株主が発言しだしたり・・・・トラブル関係は除きます。

その後、質疑応答がありました。とにかく、不規則発言・ヤジが多く、議長もその方々を指名するため、他の株主の意見がかき消されるような感じでした。
(1)(質問)今後、安定配当は実施できるのか(回答)もともと「会計の学校」と言われていたが、最近では「公務員の学校」と言われている。いろいろ環境も変化しているので、お約束はできないががんばる。
(2)株価についても努力するとしか言えない。
(3)大阪北部地震の影響は梅田校のボードが外れるくらい。地震当日は大阪エリアは休講。
(4)(質問)オリンピック・万国博対応で、接客方法の講座できないか?(回答)継続できる講座でないと事業とならない。外国人が資格をとる講座なら考えられる。中国人が留学してくると、弁理士を取ろうとする傾向にあるので、それの対応とかが考えられる。
(5)(質問)リカレント教育について当社に与える影響は?(回答)教育訓練給付金の他、専門実践教育訓練給付金が株式会社でも認められるようになった。ITストラテジスト等高度なIT系の研修講座も対象となり、申請して許可を得た。
(6)HPを見ずらく、受講者を逃している。改善してほしい。
(7)(質問)株主優待制度の講座割引10%は少ない。受講料定価の10%引きから実際受講料総額の10%引きにしてほしい。(回答)当社は一般的に大きな割引はしない方針である。早期割引があるくらいである。総額ベースではかなりの差が出てしまうので、できない。
(8)役員報酬は、子会社兼務している場合子会社からは一切とらない。招集通知に記載している金額が全てである。
(9)(質問)今後、講座はデジタル化するのか、実教室を重視するのか?(回答)当社が誇れるのは合格実績である。それは教室で生まれる。通信と教室では圧倒的に教室が合格率が高い。合格率を重視する限り教室である。難易度が低い資格などはネットを重視しており、子会社のオンラインスクールでは1ヶ月定額980円で講座受け放題のモノもやっている。
(10)講座によって年齢層が分かれてきている。公務員・会計士は若い年齢層、社労士・税理士・鑑定士は高齢化している。当社の受講生の社会人と学生の比率は以前は7:3で学生が多かったが、今は7:3で社会人の方が多い。
(11)(質問)売上200億円でずっと横ばいである。個人教育事業は利益が出ない事業になり、法人研修事業も伸び悩んでいる。AIの時代に資格はいらないとも言われており、当社はビジネスモデルの転換期を迎えている。事業環境は良く成長戦略投資が必要であるにも関わらず何もしていないし、IRに記載もない。IRに成長戦略をもっと記載し、経営陣がそれにコミットすることで成長を果たしてほしい。中期経営計画なども示してほしい。株主利益の代弁者である社外取締役がそれをチェックし、指導してほしい。(回答)新しい事業は相当量は仕掛けている。建築士とか語学事業であるとかやっている。なかなか苦しいところは、教育・資格事業で上場しているのは当社だけで新しい事業を発表するとすぐに真似されてしまう。皆様の心に届くIRをしていきたい。

約2時間で総会は終了しました。やはり今まで出席した成長株とは違いますね。社長はお身体を悪くされ、他の役員もほとんどが昭和時代の入社であり、しかも資格村で固めた経営陣の方々です。大きな転換は難しそうです。時価総額も極めて小さいので、買収する側というよりも、される側になる可能性を感じた株主総会でした。

お土産はTACボールペン、TAC出版「おとな旅プレミアム札幌・小樽・富良野・旭山動物園」の本、32枚入り絵葉書でした。ペットボトルのお水もくれました。

以上TAC株主総会レポートでした。